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初心者ロードレーサーのためのヒント         

ロードレーサー初心者のかた向けに、すこしずつレベルアップするためのヒントをわかりやすく紹介します。

◆LSDが自転車トレーニングの基礎 2011.10.28

LSDという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは「Long(長時間) Slow(ゆっくりと) Distance(距離を乗る)」 の頭文字をとったもので、自転車に限らず持久系のスポーツでは広く行われているトレーニング方法のひとつです。

学生時代も含めて今までスポーツでトレーニングらしいことをしたことがない人や、昔はスポーツ選手だったけれど社会人になってからは運動不足で体がなまってしまって…、という人は、まずはこの練習から入るとよいでしょう。

やりかたはいたって簡単で、走りながら楽に話せるような気持ちのよいペースで、2〜3時間なるべく止まったり休んだりせずに淡々と走り続けるというものです。この練習はきつくないので、長時間運動できます。ですから、時間当たりのカロリー消費量は少なくても、合計するとかなり大きな数字になるので減量にも有効です。

この練習は、ひじょうに楽な練習な割には奥が深く、さまざまな効果があります。ですからトップクラスの選手でも必要に応じで練習メニューに組み込むこんでいます。

その中でも初心者にとっていちばん大切な効果のひとつは、持久力の基礎をじっくりと養成できることでしょう。持久系のスポーツの王道は「まずは有酸素運動の土台をしっかり作ったあとで、無酸素運動でレース用の能力を鍛えること」とよくいわれます。ごくかみ砕いて言うならば、最終的に長距離を速く走るようになるためには「まずは長距離をゆっくり長く走る運動(有酸素運動)をしっかりすることが大切」ということです。レースで必要な能力は、有酸素運動の土台がしっかりしていた方が、より高い能力まで到達できると言われています。逆に有酸素運動の土台がないままに、きつい練習をしてもそれを受け入れる土台がなければ、その成果が体に定着する度合いが少なくなります。

急がば回れではありませんが、自転車のトレーニングの基礎である有酸素能力はじっくりと時間をかけることで着実にのばしていくタイプのものです。その意味では、トレーニングをまじめに取り組んだ分だけ、その成果がちゃんと結果や体力に反映するのが面白さといえます。この能力は大人になってから始めたとしても、長い目で見ると年単位で少しずつのびていきます。

そのためにはコツコツと練習を継続していく必要がありますが、LSDはきつくない運動なので、気楽に続けることができる「誰でもできる練習方法」なのです。「きつい練習をしないと速くなれない」と思っている人には不思議に思えるかも知れません。確かに最終的に速くなる長く走れるようになるには、かなりきつい練習で自分を追い込んでいく必要があります。しかし、速くなるための基礎づくりの段階では、かならずしもきつい練習でなくてよいということです。その基礎づくりの代表格がLSDです。

ただしあくまでこのレベルの練習は基礎ですから、この練習だけやっていてもレースでは良い結果は出せません。また昔陸上競技をやっていたといったような、すでに有酸素運動の基礎ができている人は、わざわざこのレベルの運動を長時間取り組む必要はありません。

関連記事→LSDのコツは走行距離を気にせず楽に長時間走ること
     LSDでは心拍が絶対120を超えてはいけない
      毛細血管の発達には運動時間を多くかけることが重要
      トレーニング開始後7年間は生理学的に能力が改善する
      ベーストレーニングにかけるべき時間
      レベル別の年間練習時間の目安
      自転車選手は冬作られる



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