もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆引き足をまったく使わなければマイナストルクが発生する 2011.09.27
参考文献:CYCLE SPORTS(2011年10月号)・P168, 169・八重洲出版
CYCLE SPORTS(2005年9月号)・P94, 95・八重洲出版
ふじいのりあき著・『ロードバイクの科学』・P48-50・スキージャーナル株式会社
CYCLING TIME.com 『ペダリング技術の向上で実力は上がる?』
URL:
http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=18847
「ペダリングで引き足を使うべきなのか不要なのか?」、「引き足を強化しペダリングをスムーズにするために、パワークランクを導入したり片足ペダリングをすることは有効なのか否か?」といったことについては、様々な意見があり「サイクリスト全員が納得する統一見解」は今のところ見当たらない。しかし、事実としてあるのは、もし引き足をまったく使わず脱力した状態でペダリングをするとペダルが下死点(一番下)を通過してから上がるまでの過程で、足の重さと慣性力によりマイナストルク(踏む力を打ち消すいわばブレーキ)が発生することだ。
一流選手はペダルのアップストローク時にトルク(進行方向に押す力)が発生していないという研究結果が出ているので、引き足は必要ないとの結論を出す向きもあるが、かといって完全にリラックスしてマイナストルクが発生しているわけではないので、実際は「足の重さと慣性力を打ち消すだけの最小限の引き足」を使っている可能性が高い。
それに対して一般選手は、引き足を意識しすぎてアップストローク時にトルクが発生していることが多い。つまり本来トルクをかけるべき前方や下方にトルクをかける方向と逆方向の筋肉に「力が入り過ぎている」ので、(わずかではあるものの)無駄にエネルギーを消費してしまうと同時に、ペダルに力をかけ始めるのが遅れてしまうので、結果的にペダリング効率が下がってしまっている可能性がある。
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