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◆日本人の素質は劣っていない。練習メニューに問題がある 2011.09.23
参考文献:『BICYCLE21(発行年月確認できず)』パールイズミ・スミタ・ラバネロ 高村精一監督に聞くA65頁・ライジング出版
日本の自転車界全体としてエリートもアンダーもジュニアも強くなってきている。しかし高校生が新城くらいの力を持たなくては世界では絶対に通用しない。そのためにはLSDとかをちゃんとやって、いい組織ができれば絶対に可能。そのためには小学生、中学生から自転車をやっていないとダメだ。
日本人の素質が劣っているわけでなく、練習のメニューが劣っている。
(以上、高村精一監督インタビュー記事要旨)
本場のロード選手は…
・ジュニアの間は、固定ギアでのトレーニングをかなり頻繁に行い回転力をみっちり叩き込まれる
・筋トレはせず、自転車で使う筋肉は自転車に乗ってつける
・低強度でかなりの長時間(長距離)乗り込んでベースを作ってから高強度の練習を行う
・苦手分野は徹底的につぶす
などといった情報が断片的に様々なメディアを通して入ってきており、またかなり具体的な練習メニューが記載された『ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム』のような書籍も刊行されているものの、まだかなりの情報格差がある。
瞬発力の高さが求められる短距離系の競技では筋組成や骨格の問題から日本人は遺伝的限界があると思われる。しかしマラソンなど持久系の競技は世界の頂点を極めた実績があることを考えると日本人には向いていると言える。その意味からすると、高い有酸素運動能力が求められるロード・レースは日本人に向いているはずだ。
今後日本でも、ロード・レースの本場の選手たちがどのような(運動生理学などに裏打ちされた)理論に基づき、具体的にどのような練習メニューに取り組んでいるかが広く紹介され、若手からの育成システムができてくれば、日本人のロード・レース競技力はまだまだ伸びる。
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