もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆エリート選手は水平方向への筋出力が一般選手より顕著に高い 2011.09.19
参考文献:CYCLE SPORTS(2005年9月号)・P93・八重洲出版
*Integration of the Physiological Factors Determining Encurance Performance
Ability,
E.F.Coyle, Ph.D., Exercise and Sport Sciences Reviews, 1995
ふじいのりあき著・『ロードバイクの科学』・P49・スキージャーナル株式会社
ロードバイクはペダルを回して力を自転車に伝えるだけのシンプルな運動だけに、そのスキルの巧拙がパフォーマンスに大きく影響する。テキサス大学のコイル博士の研究*では、エリート選手のペダリングは、ペダルに力がかかり始めるタイミングが一般選手より早く、水平方向への筋出力が一般選手より顕著に高いとの結果が出ており、ペダリング時のトルクの出るタイミング(方向)がパフォーマンスに影響を与えることが示されている。
つまりエリート選手は、一般選手がまだ力をかけていないペダルがいちばん上に来た時には、すでに前に押し出すような力を加えることでより大きな推進力を生み出していると言える。これはペダルを「回す」という感覚やスムーズでムラがないペダリングという表現にぴったり当てはまる。
ペダリングのスキル向上に効果的な練習メニューが、片足ペダリングだ。これがスムーズに行えない場合はスムーズなペダリングにロスがある可能性が高い。走行時の効率性に大きく影響するスキルだけに、定期的に行いたい練習メニューのひとつだ。
なお、今後ペダル軸埋め込み式のパワーメーターがガーミンやポラールにより発売予定であり、個人でも手軽にペダリング解析ができる環境が整う可能性が高い。