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わかる パワー・トレーニング!  

『パワー・トレーニング・バイブル』を120%活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。

◆TSSをチェックすれば適切にトレーニング負荷を管理できる 2011.11.24

体力変化がわかる点や、自分の得意分野と苦手分野がはっきりわかる点は、パワー・トレーニングをするメリットのなかでも特に面白いところです。今日紹介するTSSは「面白いかどうか?」はさておき、実際にトレーニングをする時に「かなり使える」指標です。

TSSとは何かというと「トレーニング・ストレス・スコア(Training Stress Score)」の略称で、簡単にいうと「トレーニングでどれだけ体に負担がかかったか」を数字で表したものです。

トレーニングは「距離や時間=量」と、「きつさ=強度」の組み合わせで決まります。TSSはその両方をひっくるめて「体にどの程度負荷がかかったか?」を「ひとつの数字」で表せる便利な指標なのです。

TSSは「100」が基準になります。1時間出し続けることができる限界ギリギリのパワーで「1時間のタイム・トライアル」をした時の運動強度が「TSS 100」です。

パワトレをしている人のブログに時々「70TSS」などと書かれている場合がありますが、これは「1時間のタイム・トライアルを42分(=60分÷100×70)やったのと同じトレーニング負荷だった」という意味です。

TSSはパワー・トレーニングの分析ソフト(WKO+など)で計算できます。最近では、機種によってはサイクルコンピューターで計算・表示できるものもあります。

もしTSSを計算できるサイクルコンピューターを持っていれば、かなり便利です。というのも、練習中にどの程度体に負荷がかかったかを確かめながらトレーニングできるからです。そうすることで「計画通りにしっかり追い込めたか?」をチェックし、適切にトレーニング負荷を管理できるようになるでしょう。

例えば、半日練習したけれど、TSSが目標に達していないケースを考えてみましょう。この場合は、「まだトレーニングが足りないので、練習時間を少し延長してもう一回峠を上ろう」と判断できるでしょう。

逆にTSSが計画よりも大幅に超過してしまっていた場合を考えてみましょう。この場合は「練習をやりすぎてしまった。オーバートレーニングになったらまずいので、練習を打ち切って帰ろう」と判断できるでしょう。

このようにTSSを使えば「適切にトレーニング負荷を管理できるようになる」という大きなメリットがあります。

またTSSは、もっと発展させた使い方もできます。具体的には「短期的な疲労の度合」「長期的な体力レベル」「調子」を数字で管理し、目標のレースに向けて高い精度でピーク調整することが可能です。これは、少し昔まではトップレベルの選手やコーチしかできなかったことです。しかしTSSを活用すれば、それがいとも簡単にできるのです。この「ピーク調整をかなりの精度で行える」点は、パワー・トレーニングの最も画期的な点のひとつといえます。

関連記事→競技者に最適なトレーニング負荷は1日あたり100〜155TSS



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