レースのパワー・データがもっとも重要

わかるパワー・トレーニング！　　ツイート

『パワー・トレーニング・バイブル』を120％活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。

◆レースのパワー・データがもっとも重要　2011.11.20

自分の能力の限界を正確な数字でわかるのがパワー・データの特徴のひとつです。しかし自分の能力を限界まで出し切るというのは、案外難しいものです。

というのも「能力の限界」＝「ひじょうにきつい運動」であり、かなり強い決意をもって練習をしてもなかなか出し切れるものではありません。

しかし、これを簡単に出し切れる方法がひとつだけあります。それはレースに出場することです。なぜレースでは自分の限界まで出し切れるのでしょうか？それは、よほど自分の実力に対して低いレベルのレースに出ていない限り、優勝を目指して周りの選手と競り合う中で集中力や興奮度は極限まで高まり、練習では苦しくて出せないようなパワーを発揮できることが多いからです。人は一人で自分自身と戦っている時よりも、ライバル達と張り合っている時のほうが、大きなパワーを出せる傾向があります。

またレースで勝負がかかった局面で脱落したのであれば、その部分のパワーや持続時間を調べることで、今後集中して鍛えるべきトレーニング・ゾーンを明らかにすることができます。例えば、3分間・350Wを出して力尽きて集団から千切れたものの、あと1分間同じパワーを出せる維持できれば集団に残れたということがわかれば、350Wを4分間維持するインターバルを集中的に特訓することで、ひじょうに効果的なレース対策のトレーニングができます。

このように「自分の本当の限界のパワーがわかる」「次のレースへの課題を見つけ効率的に練習できる」という意味で、レースのデータはあらゆるパワー・データの中でもっとも重要だといえます。