『パワー・トレーニング・バイブル』を120%活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。
◆「パワー・プロフィール」と「疲労プロフィール」で自分の得意分野と苦手分野がはっきりわかる 2011.11.22
パワー・トレーニングのメリットの続きです。パワトレでいちばん面白いのは自分の体力変化がはっきり確認できる点ですが、自分の得分野と苦手分野がはっきり確認できるのも、多くの人が興味をそそられる点でしょう。
これらを確認するには「パワー・プロフィール」「疲労プロフィール」という表を使います。
「パワー・プロフィール」については、これまでも何度か紹介したことがありますが、もういちど簡単に説明します。
パワー・プロフィールとは、それぞれの持続時間ごとに膨大なデータをもとに、国際プロ〜練習をしていない人までレベル分けしたものです。持続時間は、5秒・1分・5分・(20分)・60分に分けられていますが、これはそれぞれで使うエネルギー源が違い、人によってその能力にかなり差があるからです。
パワー・プロフィールを作り、4つの持続時間でどの程度のレベルがあるかをみれば、その人の脚質がわかります。つまり得意分野と苦手分野がわかるわけです(下の表はサンプルです)。
(画像をクリックすると拡大図が表示されます) |
スプリントが得意な選手は、5秒のパワーは高いですが、60分といった長い時間帯では余り高いワットを維持できないことが多いといえます。逆にヒルクライムが得意な選手は、60分のパワーは高いワットを維持できますが、5秒のような短時間に爆発的なパワーを出すのは苦手な傾向があります。もちろんすべてが高次元でバランスしている選手もいるかも知れません。しかし、ふつうはスプリントのような短時間の瞬発力とヒルクライムで必要な長時間の持久力は逆の関係にあるので、全てが世界トップクラスというケースはほとんどありません。
こういったことを数字ではっきり確認できるのが、パワー・プロフィールです。
人によっては「スプリントが得意だと思っていたのに実は違った」と気づくケースがあるかも知れません。自分が「ヒルクライム向けだ」と思っていた人は、データでそれをはっきり確認できるかも知れません。
次は疲労プロフィールについて簡単に説明します。疲労プロフィールは、それぞれの持続時間帯でどの程度疲れやすいかを調べるための表です(下の表がサンプルです)。
(画像をクリックすると拡大図が表示されます) |
それぞれの持続時間帯での疲れやすさがわかれば、脚質をよりつっこんで分析したうえで最適なレース戦略を決定したり、より効果的な練習メニューを作成することができます。
例えば瞬発力に優れた選手でも、10秒間だけ高いパワーを維持できる選手と、30秒間維持できる選手では、最後のゴールスプリントを仕掛ける時には戦略がずいぶん変わってきます。高出力が10秒しかもたないのであればゴール直前までスプリントをかけてはダメですし、逆に30秒間持続できるのであればロングスプリントをかけたほうが優勝できる可能性が高いでしょう。
このようにパワー・プロフィールや疲労プロフィールを作成すれば、今まで何となく「〜だろう」と思っていた自分の得意分野と苦手分野を実に簡単にはっきりと数字で確かめられます。これらを今後の目標と照らし合わせることで、今後どういった内容の練習したらいちばん効果が高いかを判断し実行することができるようになるでしょう。
もしまだパワー・プロフィールや疲労プロフィールを作ったことがなければ、いちど作ってみることをおすすめします。それがパワトレの大事なはじめの一歩になるでしょう。
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