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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。

◆持久力が向上するとスピードが落ちる 2011.11.05
参考文献:長谷川裕著・『スポーツ動作と身体のしくみ』・P50, 51, 78, 79・ナツメ社
     E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P114, 115
     青木純一郎, 佐藤佑, 村岡功編著・『スポーツ生理学』・P16・市村出版
     CyberTrainer MAGAZINE:http://www.cbtmag.com/backno/issue005/article02.html
     「これはエエよォ」:http://kiama.blog32.fc2.com/blog-entry-580.html ←かなりおすすめ!

「昔は陸上の短距離走が速かったのに、ロード・レースのゴール・スプリントではいまいち力を発揮できない」というケースが時々ある。この原因は、単純にスプリント練習が不足している場合もあるが、ロード・レースで最重要となる持久力を鍛えるために長距離を走り込みすぎた結果、筋肉の種類が変わったことだと考えられる。

人間の筋肉は大きく分けると速筋(赤筋)・遅筋(白筋)の2種類あるが、もうひとつ速筋と遅筋の中間の性質があるピンク筋がある。速筋は持久的トレーニングを行うことで、より持久力の高いピンク筋に変えられることがわかっている。つまり瞬発力に優れているものの、持久力が弱い選手でも、鍛えれば持久力を高めることができるわけだ(但しこの逆は難しい・関連記事→スピードをつけることは持久力をつけるより難しい)。

ここで注意が必要なのは、持久力が向上するとスピードが低下する点だ。冒頭の例では、長距離を乗り込みすぎたために速筋がピンク筋に変わり全般的に筋力とスピードが低下した結果、スプリントの時に爆発的なパワーが出せなくなってしまったのだと考えられる。

この点を踏まえると、スプリントやスピードが重要になるようなレースに重点的に出場するのであれば、むやみやたらと持久力を鍛えない方がよいといえる。

特に90キロを超える長距離のレースに出ないのであれば、スピードとパワーの方がより重要になるので、持久力トレーニングに時間を多く割かないほうがよい。具体的には1週間の走行距離は320q・1回の練習は最長でもレースと同じ距離にとどめたほうが無難だ。その代り、インターバル・トレーニングや高負荷でのペース走に重点を置いた練習構成にするなどして練習の質(強度)を高めれば、レースでのパフォーマンスを高められる可能性が高い。

また体が元気な状態で練習する時に全力ペダルをすることも、スピードの維持・向上に効果が高いと考えられる。
参考URL:「これはエエよォ」→『踏める、回せる、続く』



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関連記事→自分の素質がわかる遺伝子テスト
     スピードをつけることは持久力をつけるより難しい

ロードレーサーが筋力トレーニングを行う際の注意点←次の記事を読む
前の記事を読む→グリコーゲン・ローディングが成功したかを確認する方法


                     <本件記事の参考文献>


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