もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆スピードをつけることは持久力をつけるより難しい 2011.09.25
参考文献:長谷川裕著・『スポーツ動作と身体のしくみ』,50・51頁・ナツメ社
赤筋繊維(遅筋)と白筋繊維(速筋)の基本的な割合は、遺伝で決まっている。トレーニングを積んでもその割合が変わることはない。生まれつき赤筋の割合が顕著に高い人が筋力やスピードを高めようと努力しても生まれつき白筋の割合が高い人と同じように筋力やスピードを高めることは難しい。しかし持久力トレーニングをすれば、白筋繊維をピンク筋繊維に変え、持久力を向上させることはできる。
つまりスピードをつけることは持久力をつけるより遺伝的要素が大きく(素質がない人にとって)難しいが、持久力には遺伝的要素はあまり関係ないので、誰でもトレーニングを積めばある程度伸ばせるということだ。
(ただし白筋繊維がピンク筋繊維に変わるとスピードを発揮する能力が低下してしまうので、その点は要注意)
こういったことを踏まえると、パワープロフィールを作成するなどして自分の脚質(素質)を調べ「今後スプリンターとしての能力をさらに磨くべきなのか」それとも「徹底的にFTPを上げることに専念してクライマーとしての能力を高めるべきなのか」といったことを見極めたうえで、それに応じた練習をした方が練習効率はよくなると言える。
レースで勝つ選手はかなりの時間FTPで走るがFTP超を長時間は出さない←次の記事を読む