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◆筋グリコーゲン切れを防ぐ3つのアプローチ 2011.10.10
参考文献:ふじい のりあき著・『ランニングの科学』・P45-47・スキージャーナル株式会社
足が売り切れる原因は、筋グリコーゲン切れだ。筋グリコーゲンがなくなってしまうと脂肪を始めとする他のエネルギー源があっても使えなくなってしまうことに加え、筋肉を動かすためのカルシウムイオンに関する仕組みが正常に動かなくなり、足が動かなくなってしまう。また筋グリコーゲンは一度使ってしまうと回復には時間がかかるので、ロードレース中は、いかにグリコーゲン切れを防ぐかが、最後の勝負に絡めるかどうかに関わってくると言っても過言ではない。グリコーゲン切れを防ぐには、@グリコーゲンの貯蔵量を増やす Aグリコーゲン以外のエネルギー源の使用比率を上げる Bグリコーゲンを節約する の3つのアプローチがある。
@で有名なアプローチは、グリコーゲン・ローディングだ。これは人為的にカロリー摂取源の種類の比率を調整(炭水化物の比率を上げる)することで体内のグリコーゲン量を増やす方法だ。
関連記事→新しいグリコーゲンローディング(2011.08.19記事)
また練習で筋グリコーゲン貯蔵量は増大させることもできる。これが最大化する負荷はL3・テンポ走(FTPの76〜90%)と言われている(その次がL4・LT:FTPの91〜105%)。
筋グリコーゲンの貯蔵量増大を狙う場合の注意点は、グリコーゲンは2.6倍の水と一緒に貯蔵されるので、体重の増加につながる点だ。その意味ではヒルクライムなどには不向きかも知れない。
Aについては、グリコーゲン以外のエネルギー源の代表格は脂肪であるが、FTP強度までは脂肪の利用比率が高いので、FTPを高くすればグリコーゲンの消費を抑えられる。ロードレーサーにとってまず一番大事なのがFTPを上げることであると言われるのはこれゆえだ。その意味では、まずはFTPを体重の4〜5倍(パワーウェイトレシオ4〜5W/s)まで上げるようにメディオを積み重ねるのが王道と言える。
B即効性があるのはレース中に、グリコーゲンの節約を意識した走り方に徹することだ。具体的には次のような方法があるが、今まで意識したことがないようであれば、それなりの効果が期待できる。
・FTP超のパワーを長時間出し続けないようにする(FTP超を一瞬出したとしてもなるべく早くそれ以下に落とす)
・FTP超のパワーをは極力出さない(無駄に集団の先頭を長く引かない)
・パワー変動を少なくする(上りでは抑え目に、平坦や下りでしっかり踏む)
・軽いギア中心に低トルク走行を心掛ける(パワーを上げる際は極力ケイデンスを上げて対応する)
・集団の中で空気抵抗が最小の位置に潜む(なるべくペダルを漕がない・目標は全レース時間の15%以上)
同じFTPの人達と勝負するのであれば、こういったエネルギー節約戦略を意識するのとしないのとでは、勝負どころで注ぎ込めるエネルギー源(グリコーゲン)の差はかなりのものとなる。
関連記事→
レースで勝利する秘訣はエネルギーの節約にある(2011.08.18記事)
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また長距離レース中であれば、こまめに糖質中心の補給を取ることで筋グリコーゲンの減少は抑えられる。
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