『パワー・トレーニング・バイブル』を120％活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。

◆パワー・メーターを使ってポジションを直し空気抵抗と必要パワーを減らす　2011.12.12

ロード・レースは空気抵抗との戦いです。空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなるので、体力がついて速くなればなるほど空気抵抗対策がとても重要になっていきます。

この空気抵抗の主な原因は、じつは乗っている人間です。その割合はなんと70〜80％にもなるといわれています。

ロード・バイクのハンドルは色々な持ち方ができるようになっているので「立ちこぎ（ダンシング）」「ブラケット・ポジション」「下ハンドルを握る」といったように乗車姿勢（ポジション）を変えることができます。このポジションによって、空気抵抗は劇的に変わります。

いちばん空気抵抗が大きいのは、立ちこぎです。ふじいのりあきさん著の『ロードバイクの科学』（P25）によると、ブラケットポジションを100％した場合、立ちこぎでは138％ものパワーが必要になるということです。この差はかなり大きいといえます。逆に空気抵抗がかなり少なくなるのが下ハンドルの前のほうを握ったポジションです。同書によると、ブラケットポジションの約80％のパワーしか必要なくなるということです。20％必要パワーが減ると「これはかなり楽だ」と実感できることでしょう。

同じワットで走行した場合、空気抵抗が少なければ少ないほど速く走れます。この性質を利用して、パワー・メーターを使って簡単なテストをすれば「どのポジションが同じパワーでより速く走れるか？」ということが調べられるのです。

地道に練習して体力を向上させるのがいちばん大切ですが、空気抵抗を減らして必要なパワーを減らすというのもひじょうに有効なもっと速くなるためのアプローチです。パワー・メーターを使えばこれが簡単に実現できます。

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