『パワー・トレーニング・バイブル』を120%活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。
◆パワーが高ければ他の条件が同じの場合、より速く走れる 2011.11.17
前回は、パワートレーニングのメリットを説明しましたが、今回はそのひとつ「体力や実力をワットという客観的な数字で把握できる」ということについて説明します。
パワーが他の数字よりトレーニングの指標にしやすい理由は、それが「まさにその人が出した推進力をあらわすから」です。他の条件が同じの場合、パワーを高く出せる人のほうが必ず速く走れます。ロードレースの勝敗はそれだけでは決まりませんが、速く走れた方がレースを有利に展開しやすいのが普通です。
仮に同じ人が、以前は20分間で平均250Wしか出せなかったのが、1ヶ月後に260W出せるようになったとします。この場合は(体重に変わりがなければ)、間違いなくこの人の体力はアップしたと言い切れます。
それでは心拍数やスピードではだめなのでしょうか?
まず心拍数を考えてみます。
心拍数もかなり有効な指標なのですが、パワーと比べると体調やストレスなどの影響をかなり受けて、同じ条件で走っていてもかなり変動することがあります。
例えば、ある峠を先月は平均心拍数175で上り切れたとします。この時のタイムは20分ジャストでした。1か月ぶりに走ってみたところ、平均心拍数170で上り切ることができました。しかしタイムは同じ20分でした。この場合は、この選手の体力はアップしたといえるでしょうか?この例では、他の条件に変化がなかったかしっかり調べないと、本当に体力がアップしたかを判断するのは難しいでしょう。心拍数が高かったか低かったかだけでは、「自転車を進める推進力をたくさん出せるようになったか」を正確に判断することはできないのです。
スピードはどうでしょうか?
残念ながら、スピードも風向きなど、他の条件の影響を大きく受けます。まったく同じ道を走った場合でも風向きが変わってしまえば速度は全然違ってしまいます。
例えば、夏には20kmの道のりが向かい風のせいで45分もかかっていたとします。しかし冬には追い風に変わったので、わずか30分足らずで走り切ることができるようになりました。この場合、平均速度は冬の方が明らかに速いのですが、風の影響がかなり大きいと考えられるので、これだけで体力がアップしたかどうかを判断できません。
その点パワーはシンプルです。心拍数が高くても低くても、スピードが速くても遅くても、風向きが向かい風でも追い風でも、同じ持続中に出せるパワーが大きくなっていれば、客観的に見てその人が出せる「推進力(=体力・実力)」は確実に向上しているといえます*。
*体重(筋肉量)が増えるほど高いワットが出せるようになるので、体重が同じであることが前提になります。体重が変わった場合でも、体重1s当りに出せるワット数(W/s:パワー・ウェイトレシオといいます)を比べれば、体力が向上しているかを判断できます。
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