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◆スポーツ遺伝子テスト結果のロードレースへの活用方法の考察 2011.11.09
検査会社:潟Xポーツ・スタイル・
http://www.sportsstyle.co.jp/ACTN3/aboutTest.html
参考文献:スポーツ遺伝子テスト・ベーシック3結果報告書・株式会社スポーツスタイル
『筋肉を作る「スポーツ遺伝子」、トレーニングに生かす』・日本経済新聞→
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公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団→
リンク(ACTN3)
石井直方のPhysical Training→
リンク(UCP2) リンク(ACE)
上海バイオチップ遺伝子テスト→
リンク
スポーツ遺伝子テスト(検査会社:スポーツ・スタイル)では3種類の遺伝子を調べることでスポーツについての天性の素質を調べることができる。実際にテストを受けてみた結果を踏まえ、それぞれの解釈を掘り下げたうえでロードレースへの実際の活用方法を考察した。
テストで調べるのは以下の3種類の遺伝子で、ごく簡単に説明すると、以下のような素質があるかがわかる。
ACTN3:大きなパワーを出しやすい筋肉のタンパク質構造かどうか(瞬発力と持久系のどちらに適性があるか)
ACE:全身持久力が高いかどうか(VO2maxや速筋繊維と遅筋繊維の比率と関係が深い)
UCP2:省エネタイプかどうか(太りやすいかどうか←『肥満遺伝子』のひとつ)
それぞれ3種類に分かれており全部で27種類の組み合わせがあるが、それぞれの特徴は以下のようになっている。
<ACTN3>
RR:パワー・スプリント系。大きなパワーを出しやすい筋肉のタンパク質の構造なので、短時間で大きなパワーを出す競技に向いている。
RX:中間。パワー・スプリント系と持久力系のいずれの素質もある。
XX:持久力系。大きなパワーを安定して出す役割を持つのタンパク質がない(欠けている)。反面、持久的な運動には適している。筋トレの効果が出やすい(筋肥大しやすい)ので、これによってパワーを補う事もできるが、筋肉増加で体重が増えやすいといえるので、体重が大きく影響するスポーツでは注意が必要。
<ACE>
DD:パワー・スプリント系。速筋繊維の割合が多い。全身持久力系のトレーニングの効果が出にくい(筋持久力トレーニングの効果がII系の1/10しか出なかったとの調査結果あり)。
ID:中間。パワー・スプリント系と持久力系のいずれの素質もある。遅筋と速筋比率は50:50。
II:持久系。遅筋繊維の割合が多い。全身持久力系トレーニング効果が出やすい(筋持久力トレーニングの効果がDD系の10倍も高いとの調査結果あり)。
<UCP2>
AA:エネルギー消耗タイプ。脂質や炭水化物を熱として放出しやすいので太りにくい。その分エネルギーの消耗が大きいので、普段はもとより運動中の食事の補給には工夫が必要。エネルギー効率が悪いので、持久的なスポーツには向かず、瞬発的なスポーツに向いている。
VA:中間。体質によってはAAかVVに偏ることがあるので注意が必要。
VV:省エネタイプ。エネルギー消費効率がよく、人と同じ運動をしてもエネルギーを消耗しにくいので、持久力系の運動に向いている。 その反面、太りやすい。
今回のテスト結果は、ACTN3がXX(持久力系)、ACEがID(速筋と遅筋の比率半々=瞬発系の資質もある)、UCP2がVA(エネルギー効率は普通)というものであった。
向いているスポーツは「長距離のロードレース」で「距離が長くなればなるほど優位性が増す」という判定だ。その意味で、現在もロードバイクの練習に励んでいることは遺伝子の素質的には間違いではないといえる。
意外だったのは、ACTN3が瞬発系に優位な遺伝子が欠落しているタイプであった点だ。レース中のパワーデータや最大パワーのパワーウェイトレシオから瞬発力に優れると思っていたが、実際は筋肉のタンパク質の構造が劣っているのを筋肥大で補っていたようだ。スプリンターの素質がある選手とガチンコでスプリントをして勝てるようになるには、さらに筋肥大させる手もあるが、体重増加が与えるロードレース全体への悪影響を考えると得策ではない。
このテスト結果から、今後は「出場するレースはなるべく長めのレースを選ぶ」「トレーニングではLTとVO2maxを重点的に鍛える」「レース戦略としては、集団スプリント勝負にならないよう早目に仕掛ける(逃げ切るか少人数でのスプリントに持ち込む必要がある)」といった方向性が見えたといえる。
自分の素質に応じたスポーツを選び、練習やレース戦略を考えるヒントになるという点で、スポーツ遺伝子テストはそれなりの意味があるというのが実感だ。ただし、スポーツのパフォーマンスは、その人の好みや努力など後天的な要素も大きく影響するのであまりとらわれ過ぎるのはよくない、という点には注意したい。
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