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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。

◆インターバル・トレーニングはロード・レースには絶対効果的
 2011.10.30
参考文献:E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P94〜103・並木書房
     青木純一郎, 佐藤佑, 村岡功編著・『スポーツ生理学』・P36・市村出版
     ハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士共著・『パワー トレーニング バイブル』・P376
     OVERLANDER株式会社
     Adviser: 今中大介・『今中大介のロードバイクテクニック』・P59, P84〜91・竢o版社
     桜井智野風著・『ランニングのかがく』・P69〜72・秀和システム
     小出義雄著・『マラソンは毎日走っても完走できない』・P85・角川SSC新書
     RoppongiEXpressさん:http://d.hatena.ne.jp/RoppongiExpress/20090730
     クライマー系 最強さん:http://plaza.rakuten.co.jp/haniwaman/diary/20100714/

インターバル・トレーニングはロード・レースには絶対効果的だ。特にレースの最終版で勝負がかかった局面からゴールするまでや、先頭集団を追走する際のスピードを維持する能力は、圧倒的にこのインターバル・トレーニングで身に着けることができる。

インターバル・トレーニングは、高強度走の間に回復走を挟んで繰り返して行う練習のことで、その目的はスピードの持続能力を向上させることだ(スタミナの養成ではない)。仕組みとしては、高強度できつい状態のトレーニングを繰り返し行うことで、有酸素のエネルギー系が無酸素エネルギー系にレスキューされる状態を作り出すことで、エネルギー供給システムが改善される。また運動生理学的には、酸素運搬能力の中でも血液の輸送力(最大心拍出量)を向上させる効果が高いことがわかっている。

ここではインターバル・トレーニングのメニューを2つ紹介する。



【@パワーベース:レースに勝つインターバル】
ロードレースで勝つための動きにはある種のパターンがあるが、これはそのレースでの勝負どころの動きをパワーベースで再現したもの。主にVO2maxに負荷がかかるきついメニューだが、レース対策としてはこの上ない内容。

ウォーミングアップ後、30秒のスプリント(15秒ダンシング)からスタート。目標ワットは、平均でFTPの200%・最高で300%(速度は44〜48q/hまで上げる)。スプリント後、3分間・FTPの100〜104%を維持。最後の10秒間はダンシングで全力スプリント(目標ワットFTPの200%以上)をして1セット終了。セット間に5〜6分間の回復走を挟み、合計5〜8セット行う。最後にクールダウンを15分間・レベル2で行い終了。



【A心拍数ベース:漸減タイプのインターバル】
ウォーミングアップ後、加速し53-16〜17で1分間ハードに踏む。スピードは60秒間維持できるが70秒はできないスピードで行う。時間がきたら42-16〜17で90rpmを維持。心拍数が110〜120bpmに落ちたらアウターに戻し、加速後50秒間ハードに踏む。時間が来たらシフトダウンし心拍数110〜120bpmに落ちたら今度は40秒、次は30秒・20秒と少しずつ走行時間を短くしていき、最終15秒で終了する(15秒が効果のある最短時間)。

各インターバルの直後の心拍数が160bpm未満であれば、強度が足りていない。心臓が最高に近い位脈打ち、インターバルの終わりには、ほぼ肉体の限界に達するぐらいでないと効果がない。

インターバルの時間を短くするのは、疲れてきてもインターバルを通して最高に近いスピードと努力の維持が可能だからだ。世界トップ・クラスは55q/hを維持する力がある。48q/hでで維持できたらかなりレベルが高い。インターバル・トレーニングの距離は約30〜40qが目安。このトレーニングは必ず一人で行い、常に自分が維持できる最高スピードで進めることが大切になる。慣れてきたら、2分からスタートといった具合に時間を延長するとよい。



<豆知識>
インターバル・トレーニングなどを通して血液の輸送力(最大拍出量)が向上すると、心拍数は下がる。トップレベルの選手は安静時心拍数が低いことが知られているが、これはこの最大拍出量が多いか心臓が大きいか(いわゆるスポーツ心臓)もしくはその両方かといえる。以下は著名選手の安静時心拍数。

【著名選手の心拍数】
RoppongiExpressさん:安静時36bpmくらい(最大は185〜6)
クライマー系 最強さん:安静時34〜36bpm
Qちゃん(高橋尚子):平常時35bpm(ただし心臓のサイズは一般人と同じ)
ランス・アームストロング:平常時40bpm
マルコ・パンターニ:平常時36bpm
ヤン・ウルリッヒ:平常時35bpm



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