もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆体重の4〜5%の体液が失われると能力が30%低下する 2011.09.13
出展:ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム・スポーツ生理学 分類:運動生理学
運動中に体重のたった2%(体重60sであれば、たった1.2s)の体液が失われただけで心拍数や体温が上昇する。またこのレベルから有酸素運動の能力が低下し始める。体温が上昇すると運動能力が低下する理由は、熱を発散するために皮膚の血管が広がり、そこに血液を優先して送り込むので、動いている筋肉への血流量が低下するからだ。脱水症状がさらに進み4〜5%(体重60sで2.4〜3s)の体液が失われると能力が30%低下する。
酷暑の時のレースや練習後には体重が2〜3s減ることは珍しくはない。しかしその分確実にパフォーマンスは低下していた可能性が高い。発汗量と同量の水分を取れば体温の上昇は抑制され、疲労感も少なくなる。運動前後で体重が変わっていないのが理想と言える。
水分摂取の必要性は、気温以外に運動強度にも大きく依存している点は注意が必要だ。高強度のレースやトレーニング中は、発汗量が多くなるので、当然水分の摂取必要量も多くなる。しかし高強度の運動中には体が吸収できる水分量に限界があるので、発汗量に見合う水分摂取ができない可能性がある。こういった場合に脱水の危険性を小さくするには、運動実施20〜30分程度前に、500ml〜1リットル程度の糖濃度が低い水分を摂取しておくと効果がある。
2〜3時間程度の運動であればミネラル(ナトリウム・塩素・カリウム・マグネシウム)を補給しなくても大丈夫だが、3〜4時間以上運動を継続する場合はミネラルの補給が必須となる。
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