■パワートレーニングを行って学んだことトップ10
出展:Dr. Andy Coggan・TRAINING AND RACING WITH A Power Meter Journal・2011.08.31
http://www.trainingandracingwithapowermeter.com/2011/08/top-10-things-ive-learned-using-power.html
『パワー・トレーニング・バイブル』の著者であるアンドリュー・コーガン博士がパワー・トレーニングをして学んだことのトップ10についての記事です。パワートレーニングの世界的権威の言葉だけに「なるほど」納得する深い内容がほとんどですが、中には意外なものもあります。パワトレをしている人であれば、きっと何か学ぶところがあると思います。
この記事を書いたきっかけは、1999年書いた記事を偶然見つけたことだったようですが、結論はほとんど変わらなかったとのことです。12年も前に書いた内容がそれだけ普遍的だったということですね。
それではまず10位〜4位までをご紹介します。
10位 減量すべきではない
9位 大きなギアがいる
8位 小さなギアがいる
7位 筋力は重要でない
6位 TTの時はハードに入り過ぎてはいけない
5位 練習量はもっと少なく、休息をもっと多く
4位 高温順化はひじょうに重要
本文に詳しい説明がないので、以下に管理人の私的な解釈を記載します。ご参考下さい。
10位の「減量すべきではない」は、やや意外感があります。おそらく無理に減量するとパワーも落ちてしまいパワーウェイトレシオが下がることが多いので、現状の体重のままパワーを上げる方が優先度が高いということではないかと思われます。
9位と8位の順序は重要と思われます。最終的に速く走るには大きなギアを回せないといけないものの、レースでの筋グリコーゲン節約の重要度を考えると、なるべく軽いギアで回す能力を磨く方が優先度が高いということでしょう。
7位は、パワー・トレーニング・バイブルでも再三強調されている点です。レース中に出す“力”(force)は、筋力(筋肉が出せる“力”の最大値)に対して非常に低い水準に留まります。その観点からすると、筋力はさほど重要でないというのが博士の結論です。
6位は、ヒルクライムでも同じですが、TT系の運動の際に最初に飛ばし過ぎるとベストパフォーマンスが出ないので特に最初は抑え目に入ることが重要ということです。
5位は、体力をアップさせるには、それに必要な刺激を加えるのに必要なだけの練習をすれば良い(つまり効果の期待できない練習を無駄にダラダラ行う必要はない)ということをまず言っています。次に負荷がかかった体はしっかり回復させないと、せっかくのトレーニングのプラスの効果が体に定着しないので、休むべき時はしっかり休養を取る必要があるということでしょう(これについては、本文で「最近はレースも練習も昔ほどしてないので、これだけは例外的に変更が必要だ」とのコメントが記載されています)。
4位は、ローラー練も含めて、高温になると体力アップに必要なだけの十分な負荷をかけれなくなってしまう(=練習効果がなくなってしまう)ので、注意が必要ということかも知れません(10位同様、特に真意を量りかねる項目です)。
そして、3位から1位は…
3位:特異性・2位:特異性・1位:特異性です。
トレーニングの原則の一つに「特異性の原則」があります。これは「トレーニング効果はトレーニングの内容により特異的に向上するので、競技特性を考えた上でトレーニングをしなくてはならない」というものです。
人間の体にはいくつものエネルギー系がありますが、それを鍛えるのに必要なパワー(FTPに対する比率)や時間の組み合わせは異なります。そこを外してしまうと、せっかく練習しているのに、的外れな(=狙った効果が得られない)練習になってしまう可能性があります。パワー・トレーニングの特徴は、パワーデータから自分が特に練習すべきトレーニングゾーンがはっきりわかることと、その強度・時間管理を正確に数字で行えることです。「目標とするレースに必要なレベルを調べ、それを実現するために特化した練習メニューに取り組むことが実力アップのためには何より重要だ」ということを特に強調したいのだと思います。
パワートレーニングの世界的権威の言葉だけに短いフレーズながら、含蓄に富んだ内容です。折にふれて読み返すとよいかも知れませんね。
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