もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆ポジションで押さえるべき4つの重要ポイント 2012.03.05
参考文献:ヴォルフラム・リントナー著, 安家達也訳・『ロード競技トレーニング』・P254, 258・未知谷
ポジションについては、さまざまな流儀・意見・情報があり、時にはまったく逆の理論もあるので「どれを信じてよいのだろう」と戸惑うこともあるかも知れない。人それぞれ体型・目的・体力レベルなどがそれぞれ違うので、「誰でもこのポジションであればOK」というものは残念ながらないように思われる。その意味では自分に最適のポジションは、試行錯誤を繰り返して地道に探すしかないのかも知れない。しかしどのようなポジションであろうとも、ロード・レースでは「いかに速く楽に走れるか」が重要になるので、次の4つのポイントは必ず押さえたほうがよいだろう。
1.筋肉が推進力を生むために有効に使えること
自転車の推進力を生むのは筋肉なので、「推進力に関わるすべての筋肉をもっとも効果的に使えること」が重要になる。筋肉の収縮がすべて推進力につながり、かつそれを長時間持続できるのが理想だろう。
2.空気抵抗が小さいこと
他の条件が同じであれば、空気抵抗が小さいほどある一定の速度を維持するのに必要なパワーが少なくて済む。パワーが少なく済めば酸素消費量やエネルギー消費量が少なく済むので、勝負どころまでより多くのエネルギー(特に筋グリコーゲン)を温存できるようになるだろう。
3.体におかしな負荷が生じないこと
どこか体の一部に極端に負荷がかかるようなポジションでは、長時間にわたって高いパワーを出し続けることができず最終的にパフォーマンスが低くなるリスクがある。エアロ・ポジションでのトレーニングを継続的に行えば、体幹や脚の筋肉が適応し最初窮屈に感じたポジションにも慣れるかも知れないが、それにはある程度の期間が必要になる。
4.ライダーが安全で快適に感じられること
ロード・レース中は長時間にわたって高い集中力を保つ必要があるので「バイク・コントロールがしやすく体が楽なポジション」が望ましい。ハンドリングに不安があったり、体のどこかが痛かったり不快に感じるようであれば、集中力が無駄に削がれてしまう可能性がある。
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