もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
              
              ◆練習できなかった場合に体力はどれくらい低下するか 2012.01.23
参照URL:Joe Friel's Blog・『Never Miss a Workout』
                     
http://www.joefrielsblog.com/2011/04/never-miss-a-workout.html
                関連論文:Coyle, E.F., W.H. Martin, D.R. Sinacore, et al. 1984. ・J Appl Physiol.
                57:1857-1864.
                     『Time Course of Loss of Adaptations After Stopping Prolonged Intense
                Endurance Training. 』
                     Wilber, R.L. and R.J. Moffatt. 1994. ・J Strength Cond Res. 8:110.
                     『Physiological and Biochemical Consequence of Detraining in Aerobically
                Trained Individuals. 』
                     Brynteson P, W.E. Sinning. 1973. ・Med Sci Sports 5(1):29-33.
                     『The Effects of Training Frequencies on the Retention of Cardiovascular
                Fitness. 』
                     Hickson, R.C., C. Foster, M.L. Pollock, et al. 1985. ・J Appl Physiol
                58: 492-499.
                     『Reduced Training Intensities and Loss of Aerobic Power, Endurance
                and Cardiac Growth. 』
                練習をしたら回復させることが重要だが、回復期間を長く取りすぎると体力は低下し過ぎてしまう。「1日練習しなければ取り戻すのに3日かかる」といって、完全休養をとるのを極端にいやがる選手も中にはいる。それでは練習しなかった場合、実際に体力にどの程度影響があるのだろうか。ジョー・フリール氏がブログの中で、研究論文を参考にしてこれらについて説明しているので紹介する。
                コロラド・スプリングスにあるオリンピック・トレーニング・センターでランディー・ウィルバー氏による、3週間まったくトレーニングをしなかった場合の生理機能への影響は以下の通りだ。
                
                
                【3週間トレーニングをしなかった場合の生理機能への影響】
                
                  
                    | 生理機能 | 
                      変化幅 | 
                    
                    | 心臓の1回拍出量 | 
                      -10% | 
                    
                    最大限より下で運動時の心拍数 
 | 
                      +4% | 
                    
                    血漿量 
 | 
                      -12% | 
                    
                    | 毛細血管密度 | 
                      -7% | 
                    
                    | 好気性(有酸素性)酵素 | 
                      -29% | 
                    
                    | 血中乳酸 | 
                      +88% | 
                    
                    | LT(乳酸閾値) | 
                      -7% | 
                    
                    | 疲労するまでの時間 | 
                      -10% | 
                    
                    | VO2max | 
                    -8% | 
                  
                
                たった3週間で有酸素運動にかかわる重要な指標である「LT」「VO2max」「毛細血管密度」などが軒並み大幅に低下していることがはっきりわかる。
                
                無酸素運動系の体力は比較的長期間維持できるようだが、ロード・レーサーにとって最も重要な有酸素運動能力については、残念ながら「週5日間の有酸素系の練習を2日に減らしただけで体力は顕著に低下する」との研究結果もある。
                
                またVO2maxの70%以下の強度での有酸素運動量を減らした研究でも「有酸素運動容量」「疲労困憊するまでの時間」「心臓のサイズ」が低下し、有酸素運動の体力が低下することが確認されている。
                
                これらの研究結果などから「長期間練習できない場合や練習量が大きく減少した場合、有酸素能力はかなり低下してしまう」ことがわかる。シーズン中に体力が大幅に低下してしまうと、元に戻すのはかなりの時間が必要になる。
                
                シーズンを通して体力レベルを維持・向上させるには、体調管理や走行時の安全面に最大限の注意を払い、「風邪・病気・故障」「落車による怪我」などによる長期間の練習中断を極力避けることが、ひじょうに重要だといえる。また仕事などの都合で練習量が大幅に減るような場合には、従来通りの練習内容ではほぼ確実に体力が低下してしまうので、練習の質(強度)を上げるなどの対策を取る必要があるだろう。
                
            
            
            
                
            
                
                新城幸也選手のペダリングやポジション←次の記事を読む
                
                
                
                
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