もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆レベル別の年間練習量のガイドライン(時間・距離・獲得標高) 2011.12.28
参考書籍:Robert Panzera著・『Cycling FAST』・P68・Human Kinetics社
Joe Friel著・『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE』・P107・velopress
ハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士・『パワー・トレーニング・バイブル』・P202
OVERLANDER株式会社
来年の計画をすでに立てて練習を開始している人も、年末年始にしっかり計画を立てて年明けから練習を開始しようという人もいるだろう。年間練習計画を立てる際に参考になるのが、「レベル別の年間練習量のガイドライン」だ。以前、『THE
CYCLIST'S TRAINING BIBLE』に掲載されているレベル別の年間練習量の目安を「時間」ベースで紹介したが、今回は時間同様に練習量の大きな目安となる「距離」「獲得標高」も加えたガイドラインを『Cycling
FAST』より紹介する。
ロード・レースは持久力の必要性が高い競技であり、持久力の向上には通常は長い時間がかかるため、「高いレベルに到達するにはより多くの練習量が必要である」というのは、前回紹介した『THE
CYCLIST'S TRAINING BIBLE』のコンセプトと同じだ(ただし年間練習時間は『Cycling FAST』で示されている時間の方が高い水準となっている)。
【年間練習量のガイドライン】
レベル |
時間 |
距離 |
獲得標高 |
世界レベルのプロ |
1,800時間 |
35,000q |
457,000m |
国内プロ(米国カテゴリーT)
|
1,500時間 |
29,000q
|
381,000m |
セミプロ(米国カテゴリーU)
|
1,300時間 |
24,000q
|
304,000m |
上級者(米国・カテゴリーV) |
1,000時間 |
19,000q |
228,000m |
中級者(米国・カテゴリーW) |
700時間 |
14,000q |
152,000m |
初心者(米国・カテゴリーX) |
400時間 |
8,000q |
107,000m |
注:上記はあくまで一般的な目安であり絶対的なものではない。もっとも重要なのは「どのくらい練習するか」ではなく「どのように目標を達成するか」なので、その点は注意が必要だ。
また年間の数値を単純に12か月で割った「月間」数値と、52週間で割った「週間」数値は以下の通り。以下の数字はあくまで単純平均なので、実際にはピリオダイゼーションの各期間ごとに練習強度に応じて増減させる必要がある(各期間ごとの練習量と強度の関係のイメージ図は下図【年に2回ピークをつける場合の計画例】ご参照)。
【月間の単純平均】
レベル |
時間 |
距離 |
獲得標高 |
世界レベルのプロ |
150時間 |
2,917q |
38,083m |
国内プロ(米国カテゴリーT)
|
125時間 |
2,417q
|
31,750m |
セミプロ(米国カテゴリーU)
|
108時間 |
2,000q
|
25,333m |
上級者(米国・カテゴリーV) |
83時間 |
1,583q |
19,000m |
中級者(米国・カテゴリーW) |
58時間 |
1,167q |
12,667m |
初心者(米国・カテゴリーX) |
33時間 |
667q |
8,917m |
【週間の単純平均】
レベル |
時間 |
距離 |
獲得標高 |
世界レベルのプロ |
35時間 |
673q |
8,788m |
国内プロ(米国カテゴリーT)
|
29時間 |
558q |
7,327m |
セミプロ(米国カテゴリーU)
|
25時間 |
462q
|
5,846m |
上級者(米国・カテゴリーV) |
19時間 |
365q |
4,385m |
中級者(米国・カテゴリーW) |
13時間 |
269q |
2,923m |
初心者(米国・カテゴリーX) |
8時間 |
154q |
2,058m |
ただし時間や距離や獲得標高といった基準はかなり参考になるものの、限界もある。
特に最近ではパワー・トレーニングの普及に伴って平日はローラー練で短時間・高効率で練習している選手が多いが、その場合は単純に上記のような時間・距離・獲得標高では、本当の練習度合が正確にわからない。この場合は、運動強度と練習量を総合した指標であるTSSでの管理が適していると思われるが、現段階ではレベル別のTSSのガイドラインは確認できていない。今後、よりパワー・トレーニングの研究が進めば、TSSをベースとしたより精緻なレベル別の目安が示される可能性があるだろう。
現段階で確認できる参考情報としては『パワー・トレーニング・バイブル』の「競技者に最適なトレーニング負荷は1日あたり100〜155TSS」レベルで「CTLが100TSS未満であると練習不足である」という説明がある。WKO+などを使用しており、TSSやCTLが算出できるようであればチェックしてみてはいかがだろうか。
関連情報→
競技者に最適なトレーニング負荷は1日あたり100〜155TSS
年間トレーニング計画の立て方(ピリオダイゼーション)
年間練習計画策定用の書式(PDFとExcelシート)
【補給食】アレンのライス・ケーキ(ベーコンと卵入りおにぎり)←次の記事を読む
<本件記事の参考文献>
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