もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆疲労プロフィールとパワー・プロフィールで脚質を深く分析する 2011.12.03
参考文献:ハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士共著・『パワー トレーニング バイブル』・P85~106,
P222~223・OVERLANDER株式会社
参考URL:PEAKS COACHING GROUP
http://www.peakscoachinggroup.com/ASPX/FP/FP.aspx?AspxAutoDetectCookieSupport=1
疲労プロフィールとパワー・プロフィールは、自分の脚質を調べることができる便利なツールだ。これらを組み合わせて総合的に見れば自分の脚質をより深く分析し、より集中的に強化すべきトレーニング・ゾーンを明らかにすることができる。そのための改良版シートを作成した(以下リンク先のExcelファイルをご参照)。
【疲労抵抗力とパワー・プロフィールの評価確認シート】→
リンク
(下に入力済サンプルあり)
このシートでは、疲労プロフィール・テストで調べる各持続時間でのテスト結果のパワーと体重を入力するだけで、疲労抵抗力と簡易的なパワー・プロフィールの評価*が自動で表示される。
*注:パワー・プロフィールのテストは本来別途行った方が望ましい
疲労プロフィールのテストを行わず、既存データを利用する簡易的な方法としては、Golden Cheetahなどのパワー・データ分析ソフトで各持続時間での最大パワーを調べその数値を入力するという手法もある(これでもおおよその傾向はつかめる)。
まずチェックしたほうがよいのは、「パワーの絶対的な水準が低いうえに疲労抵抗力も低い持続時間がないか」だ。ここは明らかな弱点なので、集中的に強化する必要があるだろう。
また「疲労抵抗力が高いが絶対的なパワー水準が低い持続時間」は、絶対的な筋力か持久力がかなり不足している可能性が高いのでやはり何らかの対策が必要と思われる。
注意が必要なのは、パワー・プロフィール上ではパワー水準が高いものの疲労抵抗力が低い場合だ。
これが神経筋パワーで見られる場合はスプリント戦略に大きく影響する。「絶対的なパワーが高いものの疲労抵抗力がかなり低い場合」はなるべくゴール直前までスプリントをかけるのを待った方がよいだろう(ロング・スプリントをしても途中で失速する可能性が高い)。「絶対的なパワーが高く疲労抵抗力も高いレベルの場合」はロング・スプリントでも十分勝てる可能性がある。
またLTレベルのような長い持続時間で「20分の出力がそこそこ高いのに疲労抵抗力が低い場合」は、高い負荷での長時間一定走の練習が不足している可能性がある。長距離レースに出るならば、LTレベルの疲労抵抗力改善に集中的に取り組む必要がある。
このように、2つのシートを同時にチェックすることで自分の脚質をより深いレベルまで突っ込んで分析し、レース戦略や今後のトレーニングにおける重点課題を見つけ出すことができる。
以下に上のシートのサンプル例を掲載するので、ご参考まで。
サンプル①(パワー・トレーニング・バイブルに掲載のあるボブ・ライダー)→
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やせ型のクライマー系初心者。短い持続時間での疲労抵抗力が高いが、そもそも体ができておらずパワーの絶対水準が低いので、筋力強化が必要。またVO2max・LTレベルの疲労抵抗力も要改善。
サンプル②(実業団E2選手)→
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スプリント時の絶対的なパワーが不足しているので強化が必要。またLTレベルでの疲労抵抗力を改善する必要がある
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