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◆ジロ・ディ・ロンバルディア優勝者とのパワー・データ比較と勝負どころで必要だったパワー 2011.12.02
参考URL:SRM Blog・
http://www.srm.de/index.php/gb/srm-blog/road/689
cyclowired.jp・
http://www.cyclowired.jp/?q=node/70372
ジロ・ディ・ロンバルディアはヨーロッパのロード・レース・シーズンの最後を締めくくる「モニュメント」と呼ばれる歴史のある5つのレースのひとつだ。レース距離は241㎞(SRMデータでは248.5㎞)・累積標高は3,910m(SRMデータ)と厳しいコース・レイアウトのこの伝統あるレースで今年栄冠をつかんだのは、個人ではこれがプロ初勝利というオリバー・ザウグだ。ザウグは身長170㎝・体重57㎏と欧米選手の中では小柄な部類のクライマーで、体型は日本人と近い。このザウグのレース中のパワー・データと、入力した自分のレースのパワー・データを比較できるシートを作成した(以下リンク先のExcelファイルをご参照)。
【ジロ・ディ・ロンバルディア優勝者、オリバー・ザウグとのパワー比較シート】→
リンク
このシートでは、「入力したパワー(自分のレースのパワー・データ)」と「ザウグのパワー・ウェイト・レシオを入力体重で換算したパワー(自分が現在の体重ままで、ザウグと同じパワー・ウェイト・レシオを出した場合のパワー)」を比較できる。比較対象としてベストなのは、なるべく長距離の公道ロード・レース(ツール・ド・おきなわ210㎞など)といえる。
また、同シートの下には【参考データ】として「ザウグがレース中の主要局面で出したパワー」を、入力した体重で換算する欄を設けた(計算式:ザウグが各局面で出したパワー・ウェイト・レシオ×入力した自分の体重)。レースの勝敗に大きく影響した3つの局面(注:下の【補足説明】に詳細説明あり)、
「長い登坂区間」
「最後の上り坂で勝負をかけたアタック」
「ゴールまでの平坦区間の単独での逃げ切り」
で、それぞれ必要だったパワー・レベルが入力した自分の体重換算でわかる。
もう少しわかりやすく説明すると、もし自分が現在の体重のままで、ここで算出されるパワーを出せたとしたら、
「長い登坂区間で千切れることはなく」
「最後の上り坂の勝負をかけたアタックでバッソやジルベールを千切ることができ」
「ゴールまで平坦区間で単独で逃げ切って優勝することができた」
という意味だ。もちろんトップ・プロのレースなので、実際にその局面までレースについていって、これだけ高いパワーを出すのは難しい。その意味で、ここで出てくる数字は「世界最高レベルのレースで勝つのに必要なパワー」の自分の体重換算での参考値といえる。
【補足説明】
ザウグが249㎞・6時間26分の間に出していた平均パワーは、219W(3.8W/㎏)と一見するとそれほど高くはないように思える。しかしアップ・ダウンの多いコースであり、ペダルを踏んでいなかった時間も長かったはずなので、パワーを出していた時はかなりの高出力を出していたと思われる。
事実、レース中盤のコルマ・ディ・ソルマーノの17.2㎞の登坂区間では、47分以上・305W(5.4W/㎏)を出していた。また、ゴールまで約10㎞の最大勾配15%の上りでアタックしてバッソやジルベールを千切り後続との差を15秒つけることに成功した時には、2分間・447W(9.5W/㎏)を出していた(この時の最大出力は760W・16.2W/㎏)。最後の3.5㎞平坦区間は、すでに240㎞を走ってきた後にも関わらず、4分強もの間347W(7.3W/㎏)を維持し、ゴールまで逃げ切ることに成功した。
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