もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆かつて世界トップクラスのTT選手が使ったペダリングの秘訣 2011.11.30
参考文献:E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P194~196・並木書房
タイム・トライアルは、自分の限界ギリギリのパワーを出し続ける過酷な競技だ。今回は、そのタイム・トライアルで、その昔かつての世界トップクラスの選手*がパフォーマンス向上のために実際に使っていた「ペダリングの秘訣」を紹介する。参考文献の『勝つための自転車レーステクニック』の著者であるボリセヴィチ氏によると「このスキルを無意識にできるレベルまで身に付けたら、パフォーマンスを飛躍的に伸ばすのは間違いない」という。
*ジェイキューズ・アンクェッティル(1950年代終わり~1960年代に活躍したプロ・ロードレーサーでありタイムトライアリスト)、ミトニク(ポーランドの機関車と呼ばれ数年間世界中の誰もがタイム・トライアルで破ることができなかった選手)などがこのペダリング方法を使った。
方法はいたってシンプルだ。タイム・トライアルがスタートし、一定のスピードに達したところで右足に力を入れずに1回転させる。それから力を入れて4回転させる。次に左足に力を入れずに1回転させる。それから力を入れて回転させる。これをゴールするまで繰り返す。
要は10回のペダリング中に5回に1回左右の足を交互に1回転ずつ「力を入れてこがない」ということだ。それでも走行速度は落ちないという。
【ペダリング方法】
1回転目:右足・・・力を入れてこがない(休む)
2回転目:左足・・・こぐ
3回転目:右足・・・こぐ
4回転目:左足・・・こぐ
5回転目:右足・・・こぐ
6回転目:左足・・・力を入れてこがない(休む)
7回転目:右足・・・こぐ
8回転目:左足・・・こぐ
9回転目:右足・・・こぐ
10回転目:左足・・・こぐ
以降、1回転目に戻り繰り返し
*「実際にどのようにペダリングをするのかが、わかりにくい」という指摘がありましたのでで加筆修正しました(2011.12.02 15:20)
激しくペダリングをしている間は、筋肉の収縮が血液の流れを抑制し、結果として筋肉に届く栄養や酸素量が減少する。しかし、この方法で走行中に定期的に休みを入れれば、足の筋肉が回復するのに必要な血液がより多量に供給されるので、両脚の活力を維持できるという理屈だ。
かなり昔とはいえ、当時世界で最高の選手の何人かがこのトレーニングを積んだという。
なおこの方法でペダリングしても、はたからはまずわからない。
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<本件記事の参考文献>
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