もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆シニア選手のトレーニングと回復における重点課題 2011.11.14
参考URL:Joe Friel・『Q & A: Recovery and the Aging Athlete』
http://www.joefrielsblog.com/2011/11/q-a-.html
若い選手がよくする失敗は「パフォーマンスに悪影響のあるのようなトレーニングや生活習慣をしがちなこと」だが、それでも若さゆえに高いパフォーマンスを発揮することができる。加齢とともにそういった失敗は犯さなくなるものの、特に50歳を超えると以下のような体の変化が出てくるのでトレーニング方法を変え、少しでも回復を早めるように努めなければならない。
【50歳を超えると起こる体の変化】
男性ホルモンレベルの低下・筋肉量の減少・骨減少症や骨粗しょう症・酸塩基の平衡失調・のどの渇きに対する感度の低下・体重増加の傾向・軟組織の弾力性低下・酵素活性の低下・暑熱耐性の低下
シニア選手が特に意識すべき重点課題は「運動強度」「筋トレ」「睡眠」「栄養補給」の4点だ。
「運動強度」
体力を維持向上させるのに必要なトレーニングの要素は「持続時間と」「強度」「頻度」の3つだが、加齢とともに長時間・高強度でトレーニングすることは難しくなる。加齢による体力の低下の進行を遅らせるには、低強度で長時間練習するよりも短時間でも高強度で練習した方が効果が高いので、練習の中心は筋持久力強化や無酸素系の持久力の強化やスプリント練などに重点を置いた方がよい。望ましい運動強度は強度係数(IF)が80%超となるレベルだ。こういった練習に注力することで、男性ホルモンの分泌が促進され結果的に筋肉量の維持につながる。
「筋トレ」
ウェイトを使った筋トレは、男性ホルモンの分泌を促進し骨密度を維持するうえでベストの方法だ。軽い負荷ではあまり効果がないので、重めの負荷で行うことが必要なる。ただし自転車に乗るのに支障がでてはいけないので、かなりしっかりとした計画にもとづいて脚に負荷をかける必要がある。筋トレを行うのに抵抗がある場合は、毎週3〜5q程度ウォーキングかランニングをすることが望ましい。骨密度の維持を重視するのであれば、自分の体重を使った筋トレよりも、重いウェイトを使う筋トレの方が効果が高い。筋トレはそれなりの頻度で定期的に行う必要がある。
「睡眠」
上記のような方法でトレーニングするとトレーニング強度は高くなり、筋肉にストレスが蓄積していくはずだ。このストレスを取り除くには睡眠の時間と質がひじょうに重用になる。生活をより活動的にする意味でも、シニア選手は適切な睡眠時間を確保することに特に注意したほうがよい。
「栄養補給」
栄養補給で注意すべきは、強度の高い運動直後に炭水化物とタンパク質を補給することと、その日の間中にビタミンやミネラルを補給することだ。長時間・高強度の運動をする場合は運動中に糖分を摂取し(短時間であれば水だけでOK)、練習直後のなるべく早いタイミング(理想的には30分以内)に炭水化物(デンプン質)の食事をとる。これにより速やかに筋グリコーゲを再充填できる。その後は、炭水化物のの摂取量は大幅に減らすほうが望ましい。次に野菜や果物や動物の肉を食べてビタミンやミネラルを補給する。これらのアルカリ性食品は体内の酸塩基バランスの調整にも役立つ(逆に酸性の食品の摂取は、骨のミネラルや筋肉量の減少につながる)。
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