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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから紹介します。

◆MAPの競技レベル別のパワー・ウェイト・レシオ 2012.04.13
参考文献:JAMES HOPKER, SIMON JOBSON編・『Performance Cycling: The Science of Success 』・P43
     BLOOMSBURY

MAP(Maximal Aerobic Power:最大有酸素パワー)は、VO2max(最大酸素摂取量)に達する時のパワーのことで、有酸素運動能力の上限と考えられている。今回は『Performance Cycling: The Science of Success 』を参考に、MAPの競技レベル別のパワー・ウェイト・レシオを紹介する。


以下がMAPの競技レベル別のパワー・ウェイト・レシオの目安となる。


 【MAPの競技レベル別 パワー・ウェイト・レシオ】
競技レベル MAPのパワー・ウェイト・レシオ(W/㎏)
世界レベル
エリート
かなりトレーニングしている
トレーニングしている
6.5~8.0
6.0~7.0
5.0~6.0
4.0~5.0

MAPはコーガン方式ではL6に相当するとbike training tips.comで紹介されている(→関連記事へのリンク)。一方で『パワー・トレーニング・バイブル』には、MAPから競技レベルをチェックする目安は示されていない。その意味では、上記の表を参考にすることで『パワー・トレーニング・バイブル』がカバーしていない「MAPのレベル」をチェックすることができるだろう。



注意点としては、ロード・レースの競技レベルに直結する「持久的パフォーマンス」にはFTPの水準が大きく影響するが、これはMAPに対する比率でみると個人差がかなりある点だ。

例えば、MAPのパワー・ウェイト・レシオが同じ6.1W/㎏(MAP:400W・体重:65㎏)の選手AさんとBさんがいたとする。この場合、有酸素運動能力のポテンシャルはAさんもBさんもほぼ同じくらいと考えられる。

一方で持久的パフォーマンスに大きく影響のあるFTPのパワー・ウェイトレシオを見てみると、Aさんが4.9W/㎏(MAPの80%・320W)でBさんが4.3W/㎏(MAPの70%・280W)だったとする。この場合、Aさんの方がBさんよりもFTPのパワー・ウェイト・レシオが高いので、持久的パフォーマンスが高いと考えられる。つまりMAPのパワー・ウェイト・レシオが同じであっても、「持久的パフォーマンス(≒ロード・レースの競技レベル)」には、かなりの差があるといったケースも考えられる。


その意味では、上記区分けは「持久的パフォーマンス(≒ロード・レースの競技レベル)」を推し測るといった観点からは「おおよその目安」程度に考え、ある程度オーバラップ(重複)や誤差がありえることを頭に入れておいたほうがよいだろう。



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関連情報→MAPテストでかんたんにFTPを推定する方法

プレ・シーズンのトレーニングのヒントと練習メニュー←次の記事を読む
前の記事を読む→マッスルメモリー(筋肉の記憶)のメカニズム

                     <本件記事の参考文献>



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