もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから紹介します。
◆ローテーションに加わる時のエチケットや足を温存するためのコツ 2012.04.11
参考文献:Chris Carmichael AND Jim Rutberg共著・『The Time-Crunched Cyclist』・ P148~P149・Velopress
E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P132~133・並木書房
参考URL:CYCLING TIME.com・『隊列走行と集団走行のエチケット』
http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=15976
レースで勝負どころまでエネルギーを温存するためのコツにはさまざまなものがあるが、今回は集団走行時に先頭交代のローテーションに加わる時のエチケットや足を温存するためのコツをCYCLING TIME.com・『The Time-Crunched Cyclist』・『勝つための自転車レーステクニック』を参考にして紹介する。
まず集団走行時にいちばん大切なエチケット*は、ペースを一定に保つことだろう。これは大集団でも小集団でも同じで、例えば平地を34㎞/時で巡航しているのであれば、自分が先頭を引く番になっても34㎞/時を維持することが望ましい。足が元気だからといって一気に時速を40㎞/時に上げると集団が縦に伸び、後続のライダーはキャッチアップするのにかなり足を使う羽目になる。これでは集団走行のメリット「エネルギーの消費をおさえつつ高速で走り続けること」ができなくなってしまい、他のライダーに迷惑がかかってしまう。
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CYCLING TIME.comには『
隊列走行と集団走行のエチケット』が他にも詳しく説明されているので、ロード・レース初心者の方には特におすすめ。
このようにペースは一定に保つ必要があるが、先頭を引く時間についてはあるていど自分で調整することができる。勝負どころまで足を残したいのであれば、前の選手が5~10分も先頭を引いたとしても、それに対抗したりせず、自分が引く時間は30秒~数分程度にとどめたほうがよいだろう。自分に足があるところを見せたいあまり先頭を長時間引くのは、エネルギーをかなり消耗してしまうことや、他の選手からのマークが厳しくなり「不意をついた効果的なアタック」ができなくなるリスクがあるので、少しでもよい順位でのゴールを狙う場合にはおすすめできない(練習と割りきって自分を追い込む目的であればOK)。
またドリンクを飲んだり補給食を摂るタイミングに合わせてその都度最後尾に下がり、ローテーションをスキップする方法もある。そしてローテーションに戻る時は、なるべく体格が大きくドラフティング効果が高い選手の後ろにつくようにすればベストだろう。
しかし、あまりに露骨に足を温存しようとすると集団内で反感を買い、追い出されてしまうリスクがある。そうならないためには、ある程度バランス感をもつことが大事であるとともに、なるべく疲れていて調子が悪そうに見せるようにするのも一案だろう(顔に付いた汗・塩・つばなどを拭わないままにしておくと効果的かも知れない)。
関連情報→
集団で働かない「ただ乗り」ライダーへの対処方法
マッスルメモリー(筋肉の記憶)のメカニズム←次の記事を読む
<本件記事の参考文献>
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