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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。

◆「質の高い練習」とは何か? 2012.02.09
参考URL:Joe Friel・『Quality Training』
     http://www.joefrielsblog.com/2011/03/quality-training.html

レース・シーズンが近づいてくるにつれて、基礎期間(ベース・ピリオド)を終えて強化期間(ビルド・ピリオド)に移行していく人が多いかと思う。強化期間はレースに必要な特定の体力を高めていく時期だが、「質の高い練習」を行うことが最も重要になる。それでは「質の高い練習」とは何なのだろうか。今回は、ジョー・フリール氏のブログを参考に「質の高い練習」について紹介する。

基礎期間の重点課題は「練習量」だが、これは距離・時間・TSS・仕事量(kj)などで表せ、比較的かんたんに把握できる。基礎期間の目標は「総合的な体力の養成」なので、練習内容は目標のレースに「特化していない練習」が中心になる。これには耐久走・テンポ走・筋トレ・高回転ペダリングなどが該当するだろう。

「特化していない練習」は別の言い方をするならば「レースで必要となるペースやパワーでない強度でのトレーニング」ということだ。例えば基礎期間中にウェトレをかなり行ったとしても、レース中に自転車を下りてウェトレをすることはまずありえないだろう。このようにレースで直接そのものの運動をするわけではないものの、全体的な体力アップに役立つような練習、これが基礎期間の中心となる。



これに対して強化期間の重点課題は、「特定の体力の養成」になる。具体的にいえば「優先度のもっとも高いレースで必要になる強度と持続時間をシミュレーションするような練習メニュー」に取り組む必要がある。そのために強化期間は基礎期間よりも練習量を少し落とすのが一般的だ。というのもレースのパフォーマンスを決めるのは「練習量」ではなく「質の高い練習」だからだ。

つまり「質の高い練習」とは、目標とするレースの強度や持続時間や地形などといった要素を含んでシミュレーションするような練習メニューのことといえる。これには「特定の強度に焦点をあてたもの」「特定の持続時間に焦点をあてたもの」「特定の強度と持続時間を組合せたもの」の3種類がある。

「特定の強度に集中した練習メニュー」と「特定の持続時間に集中した練習メニュー」は、比較的取り組みやすいだろう。一方で「特定の強度と持続時間を組合せた練習メニュー」は、かなりきつく難易度が高くなる。しかしこれこそが「最高に質が高い練習メニュー」といえるもので、取り組む価値は十分にあるだろう。

「質の高い練習」の行い方は、目標とするレースで必要になる強度や持続時間によって変わってくる。ロード・レースに備えたトレーニングであれば、レース時間と同じくらいの長さでの高強度のチーム練習が適しているだろう。また優先順位の低いレースに出るというのもよい方法だ。ただし出場するレースは、距離・地形などの条件が目標レースに近いものになるよう、よく吟味する必要がある。



こういったことをしっかり理解し、目標レースの12週間前から「質の高い練習」をしっかり積めば、よりよい順位でゴールできる確率を大幅に高められるだろう。



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