もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆VO2maxパワー向上用「30+30」インターバル 2012.01.31
参考文献:参考文献:Jesper Bondo Medhus, MD・『
Time Effective Cycling Training』・P101・e-book
参照URL:TRAINING4CYCLISTS.COM・『Killer intervals for VO2max』
http://www.training4cyclists.com/killer-intervals-for-vo2-max/
レベルの高い選手ほどVO2maxパワーに対するLTパワー(FTP)の比率が高くなるので*、LTパワー向上を目指すにはVO2maxに近いレベルでの練習が重要になってくる。またVO2maxパワーはレースで勝負がかかった局面で重要となることから、その意味でも重要レースに備えてVO2maxを上げるのに特化した練習をすることは有効と考えられる。今回はTRAINING4CYCLIST.COMより「すばやくVO2maxを向上させる効果がある」というインターバルを紹介する。
*VO2maxパワーに対するFTPの比率は、初心者では40%程度にとどまる場合があるが、トップアスリートでは80~90%に達することがある。
このインターバルは、以前紹介した「30-30」インターバルとよく似ているが、「30-30」インターバルが「L6(無酸素運動容量)上限」といったかなりの高強度での反復能力強化に重点を置いているのに対し、「30+30」インターバルは「有酸素運動の上限であるL5(VO2max)」を集中的に鍛え、VO2maxパワー向上を目指す内容である点」が大きな違いだ。またVO2maxパワー向上にともなうLTパワー(FTP)向上の副次効果も期待できるだろう(効果には個人差があるのでその点は注意*)。
*VO2maxは、基本的に成人位なると大幅に上昇することはないが、トレーニングによりシーズン中に最大7%程度上昇することがある(ゼロの場合もある)。ただしオフシーズンには元のレベルに戻ってしまうことが多く、LTのように年次でじわじわ向上することは期待しにくいといわれている。
【取組時期】
強化期間の中盤〜終盤が適切と思われる*。
*このメニューと似た構成のインターバルがジェスファー氏の著書『
Time Effective Cycling Training』の「VO2 Max Booster Program」に組み込まれている。「VO2 Max Booster Program」は2週間続けて行う練習プログラムで、ジェスファー氏はピーク・パフォーマンスをつけたい日の6〜8週間前にこのプログラムを行うようすすめている。ベースの持久力をしっかり作り、LT〜LT下での練習をある程度積み上げてから、重要レース前の最後の仕上げ用としてのメニューのひとつとして取り組んだほうがよいメニューといえるだろう。
行い方はシンプルだ。まず事前準備として5分間の全力走を行い、酸素消費量が最大になる平均パワーを調べておく。このパワーを基準(VO2maxパワー)としてインターバルを行う。
【行い方】
30秒間・VO2maxパワーの100%を維持した後、30秒の回復走を挟む。これを12〜20回繰り返す。
ジェスファー氏によるとこの練習メニューはVO2maxパワーをすばやく向上させたい場合に効果的で、科学的な調査結果や理論的にもベストのインターバルのひとつであると説明している。
TRAINING4CYCLISTS.COMや『
Time Effective Cycling Training』には、VO2maxパワーをベースにした様々なインターバルが紹介されている。比較的わかりやすい英語なので、短時間高強度トレーニングに興味がある方にはおすすめだ。
関連情報→
Road in New Yorkさん
『Time Effective Cycling Training』の「VO2 Max Booster Program」をやり終えての感想→
リンク
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