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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。

◆MAPテストでかんたんにFTPを推定する方法 2012.01.08
参考URL:bike training tips.com・『Great training sessions #1: The MAP test』
     http://www.biketrainingtips.com/2011/06/great-training-sessions-1-map-test.html
参考文献:Joe Friel著・『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE』・P29・velopress

パワー・トレーニングの第一歩になるのがFTPの測定だが、「20~60分TT」をするのは強い意志の力がいるのでややハードルが高いかも知れない。今回は、もっとかんたんにFTPの推定値を算出できる方法をbike training tips.comより紹介する。

この方法は、別名を「ランプ負荷運動(直線的漸増負荷法)」といい、一定のペースで負荷(パワー)を上げて行くものだ。このテスト方法にはさまざまなバリエーションがあるが、今回紹介するのは、英国サイクリングで標準的なパワー・テストとして用いられており、英国サイクリングとサイクリングニュース(CyclingNews)のライターであるリック・スターム氏によって広められた、標準的なテスト手順だ。


所要時間は、約30分と比較的短いが、全力を出し切るかなりきつい強度なので、テスト翌日の練習は軽めにしたほうがよい。また一定のペースで負荷を上げる必要があるので、必ずパワー・メーターのついたローラーなどインドア・トレーナーで行う必要がある。

目的は、MAP(Maximal Aerobic Power:最大有酸素パワー)を計測することで、これを基準にFTPの推定値を算出する。練習強度を決定するのに使うので「準備期間」や「基礎期間」に行うのがベストだ。


■テスト手順
1.20分間ウォーミング・アップする。最初は楽なペースから始め、徐々にきつくない程度の強度に上げて行く。ただし絶対にハードに踏んではいけない。
2.ウォーミング・アップ終了後、テストを開始する。まず150Wを1分維持する(体格が大きい場合や体力レベルが高い場合は200Wから開始してもよい)。ケイデンスにしばりはないので、自分が快適なケイデンスで回す。
3.その後1分毎にパワーを25Wずつ上げていく(または12秒ごとに5Wずつ上げて行く)。もうこれ以上パワーを上げれなくなった時点で終了する。あまりにも早くギブアップしてしまうと正確な計測値が出ないので、全力をふりしぼって自分の限界まで追い込むことが大切だ。
4.終了後、パワー・データをダウンロードしラスト1分間の平均パワーを調べる。これがMAPとなる。
5.通常は、MAPの72~77%程度の負荷で1時間程度維持できるはずだ。つまりMAPの75%(72~77%の中間)の値を計算すればFTPの推定値が出る。


テスト手順はひじょうにシンプルだが、自分の限界まで出し切る必要があるので、最後の2~3分がかなりきついはずだ。

一方でこのテスト方法のよいところは、本当に苦しい時間が5分程度と比較的短いので「20~60分TT」に比べると精神的な負担が軽く済み、繰り返し行いやすい点だ。またこのテスト手順で出るMAP計測値は、「20~60分TT」で調べるFTPの計測値*よりも変動幅が少ない(つまり練習強度を決める基準となる数字の正確性が高い)。他には高強度での運動時間が短いので、回復が速い点も優れている点といえるだろう。

*「20~60分TT」でのFTPの計測値は、路面状況などテスト条件によってかなり変動するとの指摘がある。


■補足説明
・パワーを上げて行くペースは、一般レベルの男性で25W/分・トップレベルの選手で20W/分・女性は15W/分が標準なので適宜調整する。
・近くにサポートしてくれる人がいてくれればベストだ(最後まで頑張るモチベーションになると同時に、ラスト2分くらいに酸欠で頭がもうろうとしてきた場合に、次のワットを上げるタイミングや目標ワット数を教えてもらえる)。
・このMAPはVO2maxに達する時のパワーと同じと考えられるので、このテストを定期的に行えば、VO2maxに達する時のパワーの変化をかなり正確に把握できる(W/㎏で比較することが大切)。


■MAPテスト実施前の注意点
・テストの時は、部屋の換気をよくし、扇風機やエアコンを使い体を冷やす。
・疲れていると正確な計測ができないので、テスト前の1~2日間の練習は軽めにし、元気な状態でテストを行うこと。
・このテスト方法はかなりの高強度なので、テスト前に実施しても大丈夫か医師のアドバイスをもらうことが望ましい。初心者で体力レベルが低い段階や、持病がある場合は行ってはいけない。


■FTP推定値の正確性について
・このMAPを基準にしたFTPの推計方法は、「FTPはMAP(VO2maxに達する時のパワー)の72~77%」という前提に立っているので、ここから大幅に外れている場合は使えない可能性がある。
・例えばVO2maxに対するFTPの比率は、初心者では40%程度にとどまる場合があり、またトップアスリートでは80~90%にも達することがある。また同じ選手でもシーズン中にもトレーニングによって変わるので、この点は注意した方がよいだろう。
・MAPをもとにしたFTPのレベルが、感覚的にずれているようであれば、20~60分TTなど別の方法で確かめることをお奨めする。



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関連記事→「秘密兵器」・LTインターバル 

筋肉の増減がパワーに与える影響のシミュレーション・シート←次の記事を読む
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                     <本件記事の参考文献>



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