もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。
◆WKO+の限界点とその補完ツール『Restwise』 2011.12.20
参考文献:SAGE ROUNTREE・『THE ATHLETE'S GUIDE TO RECOVERY』・P43~45・velopress
参考URL:restwise・
http://www.restwise.com/
YouTube・
http://www.youtube.com/watch?v=YFPyAiLue9o&feature=player_embedded
疲労度合を調べる手軽で信頼度の高い方法は「
起床時心拍数をチェックすること」だが、コンディション調整まで行う場合はWKO+のTSB(トレーニング・ストレス・バランス)やGolden CheetahのStress Balance(ストレス・バランス)を参考にした方が、より精度が高くなる。いずれもパワー・データをもとにしたコンディショニング手法で、今まで目に見えず感覚で推測するしかなかった「調子」をかなりの精度で数値で管理できるといった意味でかなり画期的だが、残念ながら限界点もある。
それは「トレーニングが体に与えたストレスだけしか反映していない」点だ。プロ選手であれば、1日のうちで「身体にかかる負荷」のほとんどが「自転車でのトレーニングによるもの」なのでTSBだけしっかり見ていれば、オーバー・トレーニングに陥る心配は少ないだろう。しかし大部分の実業団選手やホビー・レーサは、ロード・バイクのトレーニング以外の日常生活でも多くのストレスを受けているのが普通だ。
つまり日常生活(仕事や勉強など)で高いストレスを受けている選手ほど、WKO+だけを目安にトレーニング量を調整していると、知らぬうちにオーバー・トレーニングに陥ってしまうリスクがあるといえる。
これを防ぐには
起床時心拍数をチェックする方法が有効だが、さらに精度を上げるためにネット上の有料サービスを利用する方法もある。
このサービスは『
Restwise(restwise.com)』というサイトで提供されており、「安静時心拍数」「SPO2(血中酸素飽和度)*」「体重」「睡眠時間」の値を入力し、「睡眠の質」「エネルギーのレベル」「気分」「前日の練習のパフォーマンス」「食欲」「病気の兆候」「筋肉痛」「尿の色」の状態を矢印を動かすなどして選択すると「リカバリー・スコア(recovery
score・回復度合いを点数化したもの)が算出される(入力などの所要時間は30~45秒程度)。この「リカバリー・スコア」を見れば、現在の回復度合いが一目で把握できる。また「過去からの推移」や「リカバーリー・スコアの構成要素の内訳」などを細かくグラフ表示できる(以下YouTubeの動画をご参照)。
*SPO2の計測には『
Finger Pluse Oximeter』と呼ばれる計測機器が必要。アメリカのAmazonでは比較的安価($19~)で販売されている(取り寄せ可能かは未確認)。
具体的な活用方法としては、以下のようなケースが考えられる。
WKO+上ではTSBのマイナス幅が-5程度と大きくないものの「かなり疲労している」と感じているとする。この時、リカバリースコアが20%程度と低ければ、体が感じている通り「明らかに体は相当疲労している」ので、練習強度を落とすかしっかり休養を取ることが必要と判断できる。この場合は、夜のローラー練をやめて少しでも長く眠って回復させた方がよいだろう。逆にリカバリースコアが80%程度あれば、回復度合いにはまず問題ないと判断できる。この場合は夜のローラー練をやっても問題ないだろう。
日常生活のストレスがひじょうに高いと感じている場合は、『Restwise』をWKO+やGolden Cheetahと併用することでオーバー・トレーニングのリスクを回避しつつ、重要レースに向けてのピーク調整の精度を上げることができるだろう。
関連記事→
起床時脈拍数から体調や疲労の程度がわかる
心拍数が「高い」ことの意味と「普段より異常に高い場合」の判断・対処方法←次の記事を読む
<本件記事の参考文献>
TOP PAGE パワートレーニングバイブル おすすめブログ 速くなるためのヒント レース役立ち情報 パワー トレーニング情報 ダイエット方法 メルマガ登録 サービスリリース予定 運営会社 お問い合わせ 管理人ブログ 掲示板(相談室) サイクリストトレーニングバイブル 免責事項