ロードレーサー初心者のかた向けに、すこしずつレベルアップするためのヒントをわかりやすく紹介します。
◆もっと速くなるためにはどんな本を読めばよいか? 2011.11.12
ロードバイクを買って、耐久レースやヒルクライムなどのレースに出てみると「もっと鍛えたらもっと強くもっと速くなれるんじゃないか?」と気づき俄然やる気に火が付くことが多いと思います。実際それは本当です。
初心者の間は、少しおおげさにいうと「何をやっても、どんな練習をしても急速に実力がのびます」。ひたすら距離を乗り込むのもありでしょうし、家の近くの丘や峠を繰り返し上るのもよいでしょう。しかしレベルが上がって行くにつれて、だんだんと実力の上昇度合は小さくなっていきます。例えば、峠でいつも頂上までのタイムを計測している人の場合を考えてみましょう。はじめて上った時は27分だったのが、1ヶ月も練習すると24分まで3分まで縮んだとします。それではその1ヶ月後にまた3分タイムが縮められるかといったら、普通はそうはいきません。同じ3分縮めてるにはひょっとしたら3倍の3か月かかることもあるでしょう。そしてそこからさらに3分縮めて18分となると、3年くらいかかるかも知れません。
このようにレベルが上がってくるにつれて、実力をのばすのはどんどん難しくなっていきます。そんな時、トレーニングの原則や効果的な練習方法の正しい知識があれば、着実に実力を伸ばしていく助けになります。
「まだ初心者だけれど、そういった知識を本でしっかり学んでから本格的にトレーニングしたい」という方もいらっしゃるかと思います。確かに早い段階から正しいトレーニング知識をもって練習した方が、早く効率的に実力を伸ばしていける可能性が高いでしょう。そんな方向けに、以下3冊の本を紹介します。
まずロードバイクのトレーニング教本として現段階でいちばんおすすめの本は、竹谷賢二さん著の『バイシクル トレーニングブック』(ベースボール・マガジン社)です。ある程度のレベルの選手でも勉強になるような、かなり濃い内容の本ですが、初心者でも役に立つ内容はかなりあります。特に第4章「トレーニングの基礎知識」・第5章「トレーニングの実践」・第6章「トレーニングの組み立て方」をしっかり読み込めば、どうすれば効率的な練習ができるかおおよそ理解できると思います。
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英語が得意な方には、Joe Friel著の『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE』をおすすめします。ひじょうに丁寧にわかりやすい語り口で「着実に実力をのばしていくための知識」が説明されています。4版を重ね英語圏では通称「バイブル」と呼ばれている、自転車トレーニング教本の世界的なベストセラーです。英語が苦手な方は、来年日本語版を出版予定ですので、ご期待ください。
最後に紹介するのは自転車乗り専用の医学書です。
ロードバイクに乗り始めたばかりの頃は、独特な前傾ポジションが原因で身体のあちこちが痛くなると思います。またスピードが速いので、擦り傷や骨折などのケガのリスクがあるのも事実です。そういった自転車特有の痛み・ケガ・病気への対処方法がわかりやすく学べるのが蔵本理枝子さん・ドロンジョ―ヌ恩田さん共著の『サイクリニック』(竢o版社)です。しっかりした内容の医学書ですが、ひじょうに面白く読みやすいうえに値段もお手頃です。痛みへの対処方法がわかり取り除くことができれば練習の質を上げることができるでしょうし、またケガへの対処方法(ラップ療法)などについてもサラッとだけでも読んでおくと後々役に立つことが多いと思います。
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